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随筆 [還暦記念 ~ 夫婦でサンセットカヤック]

 この数年、主として甲子園球場で、夫婦でプロ野球観戦を楽しんでいる。2010年7月31日マツダスタジアムを初体験した。

 今回は、還暦記念の一環として、夏季休暇を取得し、マイカーで山陽路を海岸沿いにドライブし、小豆島を初探訪することにした。

 小豆島となれば、カヤックの企画があろうと探したら、「ふるさと村」がサンセットカヤックの企画を出していた。一旦は二人乗り艇を予約したが、一方で、Amazonでドイツの自転車が主力のアウトドア DOPPELGANGAR 社のカヤック(K-10)の新品が 8,600円で(12V電動ポンプ、送料・税込!)購入可能と分かった。結局、予約を取り消して、妻にはナイショで、ダブル艇を購入した。

13:08 小豆島と地続きの弁天島 16.2m から撮影したエンジェルロードと中与島。奥は大与島

 小豆島はオリーブの島・寒霞渓程度しか知識がなかった。調べると、「エンジェルロード Angel Road」が若者・恋人たちの人気スポットとなっており、干潮時には歩ける・満潮時は水没するという。日本海では体験できないゆえ、パドリングする場所として狙った。
 8月2日昼過ぎに、小豆島土庄港に着いた。得た情報で満潮は21時頃。となれば、エンジェルロードは歩けようと、まず出かけた。正解だった。起点となる側に(今は?)陸続きの弁天島なる岩山があり、頂上からの景観は観光ポスターに使われるほど。

 偶然、狭い頂上展望台で撮影中のスタッフと重なり、尋ねると瀬戸内テレビで、瀬戸内海の名所を自転車で巡るシリーズ企画で、同地を訪れ撮影しているとのことだった。

17:28 エンジェルロードは海水に覆われ、中余島まで歩けない/カヤック二人艇

 その後、オリーブ公園、寒霞渓などを巡り、17時前に土庄港至近のホテルに入り、準備をした。

 そう、サンセットカヤックをエンジェルロー周囲の海で!と狙ったのでした。エンジェルロー入り口の駐車場で艇を準備し、17時半前に海辺に出た。砂州であるエンジェルローは海水が覆っていた。陽光は西側の山に迫っていた。場所の選択は正解。

17:45 エンジェルロードを通過/正面は大余島

 エンジェルロードは、弁天島を起点に、中余島・小余島と大余島を各々結んでいる。中余島・小余島間は狭く浅い岩礁地帯で、小余島と大余島の間のエンジェルロードが長い。この間をパドリングし、小・中余島の西側に出た。

 一旦、大余島の至近地まで一気にパドリングした後、ゆっくりと弁天島・中余島間のエンジェルロードに近接した。陽光が余島を照らし、実に美しい。パドルの痕跡も陽光により模様を描いる。

17:57 中余島(左)と南側の小余島

18:02 陽光に映える中余島

 日本海と異なり、うねりはなく、波もない。わずかの風と見えない海流で、パドリングをしないと多少は艇が流されるが、復帰は容易。これほど静かな海は、日本海では経験し難い。
 小生がカメラを構える間のパドリングは、妻に委ねるが、行先は艇に聞いてくれと言った実力?で実効性は乏しい。パドルを漕ぐ音のみの静かな静寂な環境・・・。思い出が蘇る。

18:31 中余島の東側から撮影

18:32 艇を岩穴から夕陽が入る位置に移動して撮影

 自身、40年前、大学1年の時にもヨットでパドリングした。「ヨットは帆で快走するが、パドル?!」との疑問が出よう。実は、凪の日に湖山池に艇を出したのは良いが、あまりにも風が吹かないと帆は張らず、艇で半ば昼寝(朝寝)状態に陥る。たまらず先輩に「漕げ!」と命じられ、せっせとパドリングすることになる。若干、帆が張る。艇は進むが、一方、パドルは重くなる。効率良いパドリングを体で覚えていく。

 所謂、手漕ぎボートもバイトで貯めたお金を基に、北海道を巡った際に、大沼湖で、また、デートで訪れた鳥取砂丘の多鯰ヶ池などでも漕いだ。還暦記念の所以か、若い頃を思い出していた。

18:40 海水で隠れたエンジェルロード/日没

 日焼けを嫌う妻が「あと少しで陽が沈むのでは・・・」と言い、約束の1時間以内を越えたパドリングとなった。
 往路と同様にARを通過し、中余島の岩場から射す陽光を写した。18:40弁天島・中余島間で、海水に覆われたエンジェルロード東側から夕陽が沈むのを待ち、撮った後にサンセットカヤックを終えた。

翌日 09:36 艇から夕陽を撮った場所 岩山の穴を大人が通れます。

 翌・3日の朝、今度は干潮時間帯のARを体験した。干潮時のエンジェルロードは、弁天島からはBroadwayと評し得る幅で、中・小余島周囲の岩礁地帯も干上がっていた。これらを通過し、カヤックで通過した大余島へのエンジェルロードもしっかり歩けた。日本海側では体験し得ない干満の差は、妻の身長からして1.2m以上。手をつないで歩くと幸せが云々というエンジェルロードで還暦のわれわれも、珍しく手をつなぎツーショットを残した。

09:41 カヤックで通過した場所 : 正面は大与島

追記)ドッペルギャンガーのカヤックK-10について
◎二人で130kg程度でしたが、5気室構造の両側上部のもっとも用量の大きな室は、常時海面上にありました。即ち、底面の3室で二人の加重分の浮力を得ていたことになります。この点で、大きな横波や突風等、悪天候下を除けば、安全に楽しめると考えます。
*硬質素材ではないので、二人が座った際に、間空間の空気層が折れる状況は発生します。が、一方、片手で持ち運べる軽量、空気を抜いて折り畳み、トランクルームで容易に持ち運べる利点もあります。
*伝導ポンプ付、送料込で、ドッペルギャンガー製品が入手できることで、本品は☆☆☆☆☆ 
*パドリングが不得手な方、日本海のようにうねりや離岸流などの配慮・知識の有無等、使用者の技量を踏まえてのことになりますが・・・・。(この観点は、山・渓流等、アウトドアに共通項ですね。)

(2010年8月12日記)

本稿は、鳥取県東部医師会報No.390:2010年11月号, p.59-61 に掲載された原稿です。

初めて訪れた小豆島。エンジェルロード海域で二人乗りのカヤックを初体験して10年余が経過した2020年は COVID-19 pandemic でウィーン、スイスへの生涯研修が中断し、国内の演奏会等もほぼ中止となった。“新コロ”渦中「“三密”回避とStay Home」が唱えられてもおり、結果的に、シーズン前の予測通り、カヤック充実年となった。鳥取県内に居て“三密”とは無縁、“No 密”のカヤックは、文字通り「災い転じて福となす」で、10季目・11年目の古希にて、想定外の広がりとなった。

5/23 初めて海に出艇するサンライズ・カヤックをこなし得た。この際の、ヒマな動画を見た妻が、「ライフジャケット!」と強要し、あっさり購入し、シーカヤックの際には着用することにした。(・・・「当たり前でショ!」の声が聞こえる。幻聴・・・)

7/18 11年目記念で、処女航海地から出艇し、同一コースで漕艇 : 至近に秀逸な出艇地を見いだせた。
8/ 1 初の“ふつう”のカヤックを市町村共済企画の健康イベントで、網代漁港出艇、浦富海岸で体験し得た。

初めて米国 Intex社のシングル艇(2艇)とダブル艇に出会い、購入し、 ファミリーカヤックでは4艇5人などで出艇した。

※ 10年前に運よく入手し、今も現役の WAVE LINE は、英国 Bestway社制で、安定感が良く、この数年探し求めていたが入手し得ないままだった。が、8/26 何気なく検索したら!Bestway COVE CHAMPION (シングル艇)に出会えて購入!同日、発送済のメールが届いた。当直明けの明日 8/28(金) か土曜日には届くか・・・。同艇の処女航海は・・・ なお、米国 Intex CHALLENGER

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